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新しい出発は希望の物語

あけましておめでとうございます。
すっかり遅くなりましたが、本年もよろしくお願い致します。


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                          【 あけおめ。 】


大晦日から正月三が日にかけて、両親がうちにやってきて泊まり込んでいくのが
毎年の慣例となっていて、食事の用意を始め、全て俺がやることになる。
家の中がいつもと違い騒がしいので、レオは昼寝もままならずお疲れのご様子だった。
ただ、レオは来客好きで、誰かがうちに来ると喜んで相手をしてくれるので、
両親もレオをかわいがっている。 久し振りの来客で、いい刺激になっただろう。

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                     【 フンッ、まあね。 ちょっとはね。 】


年末に部屋の掃除をしていた際、本棚にある新潮社のカフカ全集に目が留まり、
随分長い間触っていなかったなあと思い、その中の1冊を手に取ってみた。
背表紙が日焼けして色が少し薄くなってしまっていた。

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                   【 埃くさいぞ。 ちゃんと掃除したら。 】


カフカには、「アメリカ」という一般的にはあまり知られていない長編小説がある。

カフカが残した数少ない長編にも関わらず、これが未完の小説だったことや、
「城」や「審判」という有名な作品に見られるいわゆる「カフカ的」な要素が希薄だった
ことから失敗作だ評価する向きもあって、残念ながら日陰者扱いになっている。 

しかし、この小説にはざらっとした読後感が残る不思議な何かがあって、
1度読むと、なぜかいつまでも心の中のどこかでそれがゆらゆらと揺れることになる。

17歳のドイツ人少年のカール・ロスマンが1人でアメリカに船で渡り、様々なことを
経験する、というカフカの作品では唯一明るい希望を扱った内容だ。
ニューヨークの港に入ってきた船の甲板の上から自由の女神をしげしげと眺めるシーン
からこの小説は始まる。 そこから孤独なカール・ロスマン少年の心理が綴られて行くが、
これが俺には人の家にもらわれていく猫の心情にどうしても重なってしまう。

人と暮らすことを定められた猫には、初めてその人の家にもらわれていく日がある。
その時、その仔はどんな気持ちなんだろう、とよく考える。
訳もわからず見ず知らずのところへ連れてこられて、おどおどと家の中を見渡す。
健気に探検を始める仔もいれば、怯えて物陰に隠れる仔もいる。
ロスマン少年は前者、うちのレオは後者だった。

どちらかと言えば、後者のほうが自然な振る舞いに思えるが、健気に家の中を
探検している心の中も、実は不安でいっぱいなんだということを忘れてはいけない。
その姿は我々から見れば愛らしいものであっても、その日の夜、その仔はひとりで
以前いた場所やそのまた以前にいた場所で過ごした日々のことを寂しく思い出して
いるかもしれない。 人も猫も、見た目の様子と心の中はいつも同じとは限らない。

カフカはこの作品を愛し、保険会社での仕事が終わったあと、唯一愉しみながら
毎晩書き続けたそうだ。 当時の共産主義体制下のプラハで深い孤独に
苛まれながらも書き綴った新しい出発の物語が彼にとって希望の物語であった
のだとしたら、猫たちが始める人との新しい暮らしも、いつだって同じように
明るい希望の物語であって欲しい。

新しい2013年からは、不幸な猫の話が聞かれることがなくなって欲しいと願います。


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                       【 ピンボケだけど、ことよろ。 】




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Comment

ひろ

リアノンさん、レオ、明けましておめでとうございます。
お父様はすっかりよくなられたのですね。よかったですね。

レオは人見知りしないのですね。いつもお願いしているペットシッターさんが、あるおうちのネコさんは、何年も通っているけど姿を見たことがないと言っていました。彼女がいる間は絶対にでてこないんですね。隠れないまでも、お客さんがくるとネコさんはそれなりに緊張すると思います。
レオくん、お疲れ様でした~。

カフカのアメリカ、読みましたよ。いわゆるカフカらしい、くらーい、閉塞的~な感じがない小説でしたね。
えっと、全集、すごいですね。リアノンさんはほんとに本が好きなんですね~~。

  • URL
  • 2013/01/05 19:14
  • Edit

カバ丸1号

リアノンさんレオちゃん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します~
お父様、元気になられたようで・・よかったですね。

レオちゃんは、お客様が来ても怯まないんですね・・
家の老猫さんは・・長年一緒に暮らした事のある娘でも・・
気配を消しますーーー

カフカ・・変身しか読んだ事ないですわ~
今度読んでみますね~
  • URL
  • 2013/01/06 00:14

八朔かーさん

明けましておめでとう御座います。
今年一年が、リアノンさんと、レオちゃんにとって穏やかで優しいものになりますように…^^

猫さんが初めて来た日…
人も猫さんも緊張して、互いに様子を伺い、一つ一つ確認しながら時間を過ごす事になりますね。
リアノンさんが仰るように、猫さんも以前居た場所を思うかもしれません。
それが、たとえ快適とは言えない場所であっても、馴染んでいた事に違いはないのですものね。

「受け入れてもらえるだろうか」
と、言う思いは、たぶん人も同じ…
手探りで互いの心地のよい距離感を計り、模索して行くしかありません。
言葉で伝えられない思いは、行動で示すしかなくて、私も随分もどがしい思いもしました。

でも、そんな時間は必要だったのだと今は思っています。

それは例えば…
二つの氷の塊で、最初は冷たく尖っていたものを、少しずつ少しずつ互いの温もりで
溶かしていって、触れ合って溶け出した氷が、水となって一緒に流れて行くようなものだったのではないかな…と。
交じり合って共に流れ出す時には、もう分かちがたい。。。

これは大丈夫?
こっちは平気?
そんな一つ一つの確認作業が、楽しくて仕方がなかった私です。

新しい年が希望に満ちて、猫さん達に優しい光でありますように…

リアノン

ひろさん、こんにちは。

父へのお気遣い、ありがとうございます。 
何もなかったかのように、元気にしております。

レオは来客好きなので、とても助かっています。
警戒心は強いにもかかわらず、天真爛漫なところもあって、
まるで人間のように複雑な性格だなあ、と不思議に思います。

アメリカ、読まれましたか。 読書家なんですね。
おっしゃる通り、珍しく外に向かって開かれた内容ですよね。
ただ、単に明るいというだけに終わらないところがカフカたる所以ですね。

本年もよろしくお願い致します。

  • URL
  • 2013/01/06 14:18

リアノン

カバ丸1号さん、こんにちは。

父へのお気遣いを賜り、ありがとうございます。
そういえば、病気の話すら出ませんでした・・・ 
いつも通りの様子だったので、私も聞くことすら忘れてましたよ。

ちいちゃんほどのベテランさんでも、野性の本能は忘れないんですね。
若い頃のように体調が万全ではないこと、ご自身が一番わかってるんですもんね。
どうしても、用心してしまうんでしょうね。

アメリカはちょっと散漫で説明不足のところも多いので、読みにくいかも・・・
「城」がとても面白いですよ。

本年もよろしくお願い致します。

  • URL
  • 2013/01/06 14:36

リアノン

八朔かーさん、こんにちは。

猫は、人を見る目があるんだと思います。
常々思っていることなんですが、きっと人を選んでいるように思います。
誰のもとへ行くのかをちゃんと選んでいる。

八朔くんも、きっとそうだったんだと思いますよ。
じゃなきゃ、鳴きながら駆け寄ってきたたりなんかしないですよね。

本年もよろしくお願い致します。

  • URL
  • 2013/01/06 15:15

あいにゃー

リアノンさん、レオ君、
明けましておめでとうございます<(_ _)>

昨年は、ご縁が出来て、本当に嬉しかったです。
更新、訪問がままならない最近は、
中々コメントできないですが、
いつも記事を拝見させていただいて、
考える機会を与えていただいています。
ありがとうございます(*^_^*)

今日の記事も、とても考えさせられました。
そして、ミルクが来た時のことを思い出しました。
そしてそして、それぞれの子が、新しいお家に来た時のこと、
しみじみ考えました。

お家が出来た子・・・
お外で暮らす子・・・
すべての猫ちゃんたちへの愛情のあり方に付いて考えました。

どうか、その子にとって、幸せな気持ちでいっぱいになりますように・・・。

レオ君、リアノンさんと、ご両親と一緒に楽しいお正月で、
とってもいいお顔してますねー♪
1番上のお写真、王子様の様です。
今年もリアノンさんとレオ君の暖かい日常の日記を、
楽しみにいたしております(*^_^*)

ミルク共々よろしくお願い申し上げます(=^・・^=)
  • URL
  • 2013/01/06 22:15

カスイ

レオくん、リアノンさん、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞ、猫によろしく。

カフカの全集をお持ちなんて羨ましいです!
わたしが唯一手元に置いてある本は、キアラン・カーソンのものだけです。
あとは大好きな指輪物語もピッピもブローディガンの詩集も小説も、みんな地下倉庫のなか……
さいきんは読むのも電子書籍がメインになってきました。もちろんふつうに紙媒体のものも読むのですが。
うちの悪い猫は、本を食べてしまうので、より注意しなければいけません。

レオくん、箱でまったりしている姿もかわいかったけれど、おうちでのびている姿もまたすてきですね。
香箱のなりかけの足とか、ころんと横になったときの背中やおなかのまるみとか、わたしのとても大好きショットです。
  • URL
  • 2013/01/06 23:46

リアノン

あいにゃーさん、こんばんは。

私も、あいにゃーさんのブログ、いつも楽しみに読ませて頂いています。

でも、ブログの更新や訪問については、あまり無理されることはないと思いますよ。
まあ、更新の遅い私がこんなことを言うのはただの自己弁護なのかもしれませんが、
こういうのは、書きたい時、書ける時に書くべきだし、読みたい時、読める時に
読むべきなんだろう、と思います。 
読み手を意識するようになるとブログがどうしても商業的になるし、
そういうのって内容がつまらなくなりますよね、どうしても。

1番上の写真、ちょっとこわくないですか?
しゅっとし過ぎていて、なんか、大人になったんだなあ、と改めて思います。

私は白猫が大好きなので、ミルクさんのかわいさにはいつも目が釘付けです。
今年も、そのお姿を拝見できるのが楽しみです。

本年もよろしくお願い致します。

  • URL
  • 2013/01/06 23:59

リアノン

カスイさん、こんばんは。

この全集、値段がすごく高くて、新宿の紀伊国屋で長い間誰にも買われることなく、
すっと残っていました。 
当時手に入らなかった短編集や日記・書簡集がどうしても読みたくて、
無理して買った記憶があります。

電子書籍ですかあ、どうですか、使い心地は?
買える本の種類がもっと増えてくれれば私も早く使いたいのですが、今のラインナップでは
私にはまだ使いでがありません。

寒い毎日で床暖房を入れているせいで、レオは毎日ゴロゴロしてばかりです。
こりゃあー、運動せんかい! と追い回して、鬼ごっこなどをしていた連休でした。
  • URL
  • 2013/01/07 00:22

kakobox

リアノンさん レオ君、
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
良いお正月を過ごされましたか?
ご両親が来て、リアノンさんがお料理を作るというところがなんともステキですね。
普通は反対な気がするのに…。
人それぞれの幸福な時間の過ごし方は違いますものね。

カフカとはまた渋い。
最近の一般の本屋さんでは、棚の中に純文学物を見ることもなくなって、寂しいです。
本は、ホコリっぽい匂い、背表紙の日焼けがいいんですよね~。

健気に家の中を
探検している心の中も、実は不安でいっぱいなんだということを忘れてはいけない。
その姿は我々から見れば愛らしいものであっても、その日の夜、その仔はひとりで
以前いた場所やそのまた以前にいた場所で過ごした日々のことを寂しく思い出して
いるかもしれない。 人も猫も、見た目の様子と心の中はいつも同じとは限らない。

↑ 痛く同感です。
状況が変わる、場が変わるということが、先の予定を聞かされない猫ちゃんにとってどれほどの不安感を与えるものか…。
物言わぬ子だけに、考えると切ないですね。

レオ君、元気そうで、何よりですね。
今年は格別に寒い冬です。
リアノンさんもレオ君も、体調の変化に気をつけて、ご自愛くださいね。

リアノン

kakoboxさん、あけましておめでとうございます。

うちの場合、私が普段から実家に寄りつかないので、向こうがしびれを切らして
こちらに来るだけなんです。 実家に行ってもすることもなく退屈なもんで・・・
まあ、今はレオもいますしね。

私は普段自炊をしているし、元々家事も嫌いではないので、来客自体は何も苦ではない
のですが、レオには家の中が騒々しくなるのでちょっとしんどかったかもしれません。

レオは変わらず元気にしています。
病院と縁のない仔なので、ありがたいです。 

kakoboxさんも無理をなさらず、ご自愛ください。

本年もよろしくお願い致します。
  • URL
  • 2013/01/07 11:02

モモの親

あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。

いつもリアノンさんの視点、観点が大好きで 色々と勉強になったり
考えさせていただいたりと 楽しく拝見させていただいています。
僕自身 自分の表現や考えを伝えるの下手で リアノンさんのように
表現されるのが羨ましく いつもなるほどと 読ませていただいてます。
また 色々な視点 観点 他も色々ですね。楽しみにしています。
上の文も表現下手ですね(笑)

リアノンさん レオ君にとって今年も良い年でありますように。
失礼します。
  • URL
  • 2013/01/07 15:42

リアノン

モモの親さん、こんにちは。

文章の上手い・下手というのは、プロの文筆家でない限り、気にしなくて
いいんじゃないでしょうか。 (お金をもらう人は、それじゃ困りますけど。)

肉筆や文章には、その人の人柄や性格、想いのような内面が自然に反映されます。
だから、その人が持っている想いが真摯なものであれば、それは読む人に
よく伝わると思います。 きっと、それでいいんだと思います。
うわべの上手さなんて、求めなくていいんじゃないでしょうか。

ブログというのは、本質的に、内的告白であるべきだと思いますね。
そういうブログは、内容がいい悪いは置いといて、やはり読み応えがあります。
だからこそ、他人が読んでくれるようになるんじゃないでしょうか。

だから、私はブログをやっていることを誰にも言っていません。
知り合いが読むとなると、どうしても内容にいろんな配慮をせざるを得ませんからね。
書きたいことが書けないと、きっと続かないと思いまして・・・

なんか、話がズレましたね。 
ややこしいことは抜きにして、おおらかにやりましょうね。
私も貴ブログを毎日楽しく拝見させていただいています。

本年もよろしくお願い致します。
  • URL
  • 2013/01/08 16:55

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プロフィール

リアノン

Author:リアノン
独身男の一人暮らし。

猫と暮らしたくて、一人で寂しい思いをしている子を、と思い里親募集に申し込んだら、一方的に断られた。

一人暮らしの男に猫と暮らす資格はあるのか? 

これが、このブログのテーマです。

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