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Never Let Me Go

カズオ・イシグロの最も素晴らしい作品が Never Let Me Go(邦題:私を離さないで)
であることは衆目の一致するところだし、俺もそう思う。

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この小説が映画化されているなんて知らなかったが、ツタヤで見かけて驚いて、
さっそく観てみると、これがなかなか見事な映画だった。

小説と比べるといろんな点で物足りないが、それは言ってもしかたがない。
小説でしか表現できないことがあるから、人は小説を書くのだ。
この映画には、原作の小説にはないものがある。
それは、このキャリー・マリガンの表情だ。 彼女は将来、きっと大女優になる。

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この話は、まず小説を先に読むほうがいい。

この小説には驚きの大どんでん返しが用意されているので、
内容については一切言えない。 何の予備知識もなく読むのが一番いい。
読み終わった後、心に残る感情の整理をつけるのがきっと難しいと思うが、
それまでの「とても上手いが、ちょっと退屈」な作家だったイシグロが、
そのイメージを大きく変えることになった作品だ。

Never Let me Go と言えば、古いジャズのスタンダードがあって、有名なところでは
ビル・エヴァンスやキース・ジャレットも録音している。
だから、この本を読んでいる間は、ずっとこの曲が頭の中で流れていて、
それ以来どこかでこの曲がかかっているのを聴くと、この小説を想い出すようになった。

 あなたがもしいなくなったら、私は途方に暮れてしまう
 あなたなしでは、1日が1,000時間に思えてしまうほど
 私を離さないで
 私を離さないで


という、古い歌にはよくあるロマンティックな歌詞だが、1人と1頭の関係は
まるでこの歌の歌詞のようだ。

レオは、休日の昼間は寝室のベッドの上で寝ている。
そして夕方になって陽が傾くころになると、甘えた声で鳴きながら走ってきて、
映画を観ている俺に身体を擦り付けてくる。 
目が覚めると、急に人恋しくなるらしい。
よしよし、と言って撫でてやると、安心したようにまた寝室へ戻っていく。

でも、これは休日だから駆け寄ってこれるのであって、普段は目が覚めても
家の中には誰もいない。 夕方、目が覚めたら、1人で鳴いているのだろうか。
いや、今は誰もいないからと我慢して、俺の帰りを静かに待っているのだろう。

仕事からの帰り道、いつもその姿が目に浮かぶ。
日が短くなってきたので、暗い家のなかで1人待つ時間がだんだん長くなってきたから、
早く帰って安心させてやろう、と家路を急いだ1週間だった。


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                        【 早く帰ってきてね。 】



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Comment

ひろ

リアノンさん、こんばんは。

「私を離さないで」。 読んでみようと思います。
うちも日中は一人で留守番です。 いっしょにくらしていた両親が亡くなって猫と二人の生活になってから、夜飲みにいく回数は激減しました。 (笑)
1,2泊の旅行や、夜が遅くなりそうな時にはペットシッターさんに来てもらっています。 それなりにのんびりやっているから気にしないでたまには飲みに行ってください、と言われます。 
まあそうなんだろうな、寂しいのはネコのほうではなく自分のほうなんだな、と思いますけど。 やっぱり気になって飲みにいけない。
  • URL
  • 2012/09/15 20:14
  • Edit

カバ丸1号

映画になるような小説は、面白いはず・・
最近、本を読む時間がなかったので・・
早速図書館にネット予約しました!
読んでから、観ますね。

レオちゃんの写真・・
お家に書いてある・・ねこのきもち・・
【 早く帰ってきてね。 】・・にニッコリ!

  • URL
  • 2012/09/15 21:49

ミーコ

うちの猫さんもお風呂に入っていると、急に思い出したように泣いて探しています。お気に入りの毛布をくわえて…来週2歳になるのにまだまだ赤ちゃんです。
  • URL
  • 2012/09/15 22:01

ミシェル

さぁちゃんは、
キース・ジャレット?って、
まっさきに思ったそうです。

いつか、この本を読んでみよーうって言っていました。

よだんですが、
ビル・エバンスのワルツ・フォー・デビーを、
ちくちくしながらさぁちゃんが、
土曜日の昼下がりに聞いていましたよー、
  • URL
  • 2012/09/15 23:10

ちま

気持ち、すごく良くわかります。
仕事が終わって、ダッシュで帰っても、バスを降りる頃には暗くて…
自分の部屋が見えると思わず「もぅすぐ着くからね」と呟きながらまた駆け足

これからの時期はお留守番が切ないです
  • URL
  • 2012/09/15 23:42

カスイ

リアノンさん、こんばんは。
「わたしを離さないで」、わたしは映画を先に観たクチでした。
思えば、カズオ・イシグロの小説は、いつも映画が先になるようです。「日の名残り」もそうでした。

まだまだせ暑いのが不思議だけれど、日が傾くのは早くなりましたよね。
ねこのきもちハウスに入ったレオくん、ほんとに早く帰ってきてねって訴えてるみたいで、むねきゅんです。
  • URL
  • 2012/09/16 00:05

リアノン

ひろさん、こんにちは。

私も、飲んで帰る回数は圧倒的に少なくなりました。

猫は特に気にしていない、と思うこともありますが、いや、そんなことない、
と思い直すことのほうが多いです。

気になって飲みにいけない、という気持ち、とてもよくわかりますよ。

  • URL
  • 2012/09/16 12:48

リアノン

カバ丸1号さん、こんにちは。

純文学にしては、珍しく面白い内容です。
いや、面白い、というんじゃないか・・・ まあ、ぜひ、お読みください。

なるほど、箱に書いてありますね。 気が付きませんでした。
きっと、こう思ってるんだろうな、と思いたいですね。

最近の図書館、ネット予約なんてできるんですか・・・  すごい。
  • URL
  • 2012/09/16 12:56

リアノン

ミーコさん、こんにちは。

お気に入りの毛布を咥えて、というのが泣かせますね。
飼い主さんだけに見せる姿です。

  • URL
  • 2012/09/16 13:22

リアノン

ミシェルくん、こんにちはー。

タイトル聞いて最初にキースを連想するとは、さぁちゃんは
ピアノをお弾きになるので、ピアノ音楽がお好きなんですねー。
かずよしさまオンリー、なのかと思っておりました。

土曜の静かな午後に、Waltz For Debby はお似合いです。
私も久しぶりに聴きたくなりました。
  • URL
  • 2012/09/16 13:46

リアノン

ちまさん、初めまして。 コメントくださり、どうもありがとうございます。

私も、電車から降りたらもう暗くて、ああ、もうこんなに暗いんだ、と
今週はちょっとあせった気分になりました。
蒸し暑いことを除けば、季節はもう秋なんですね。

できるだけお留守番の時間が少なくて済むようにしてあげたいですね。

今後とも、よろしくお願い致します。

  • URL
  • 2012/09/16 13:56

リアノン

カスイさん、こんにちは。

日の名残り、映画はまだ観てません。
そのうちに観よう、と思いつつ、いつも忘れてしまいます。

日が短くなりだしたので、最近は、早く帰らなきゃ、と思うようになりました。
猫だって、きっとひとりぼっちは嫌に決まってますもんね。
  • URL
  • 2012/09/16 14:08

タンさん

こんにちは。。。
ずいぶんと前から勝手にリンクさせて
いただいておりました。
すみません。

いつも楽しみに拝見しております。
リアノンさんのブログは
不思議な時間がながれるような感じがします。

リアノンさんのレオ君への思いがとても
よく伝わってきます。
またレオ君もリアノンさんをとても必要としてますよね!

リアノンさんの名前ステキです。


  • URL
  • 2012/09/17 14:57

リアノン

タンさん、初めまして。 コメント下さり、どうもありがとうございます。

どうぞ自由にリンクしてください。 全然OKです。
こちらも、リンクさせていただきました。

リアノン、というのは、フリートウッド・マックという私の好きなアメリカの
ロックバンドが70年代にヒットさせた曲の名前で、それを拝借しました。
神話の女神の名前なんだそうです。

貴ブログを拝読させていただきました。
毎日、いろんなものを食してらっしゃるんですね~。
食べ歩きや食べることが好きな方の話を聞いたりブログを読むたびに、
その飽くなき好奇心と愉しみ方に、いつも感心してしまいます。

私は食べることにあまり興味がなく、お腹が空くからしかたなく食べる、
という感じで、しかも、美味しいものを少し、だったら、それよりも不味くないものを
お腹いっぱい食べられる方がいいや、というタイプなもんで・・・

今後ともよろしくお願い致します。
  • URL
  • 2012/09/17 16:05

katze

先日はコメントをいただきありがとうございました。
実は私も以前よりこっそり読み逃げをさせていただいてました。
優しい文章と胸に響く言葉がたくさんでいつもジーンとしています。

私も猫と暮らすようになればお留守番が多くなってしまうので
きっと家路を急ぐ毎日がこれから続くのだろうと思います。
帰りを待っていてくれるであろうと思うと駆け出したくなるでしょうね。

レオちゃんはいつもフォトジェニックですね^^
ダンボールハウス、私も今月注文しているので届くのが楽しみです。

zigzag

リアノンさん、はじめまして。
現在は多頭飼いですが、私も始まりは一人と一匹でした。
今ももちろん、猫たちと過ごせることに幸せを感じていますが、
一対一で過ごした経験は本当に特別で、
今でも愛おしく、かけがえのない時間でした。
リアノンさんのブログを拝見すると、懐かしく思い出します。
愛猫も必ず玄関で出迎えてくれました。^^

勝手ながらリンクさせていただきました。
もしもご迷惑でしたら、お手数ですがご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
(相互リンクの申し込みではありません)

リアノン

katzeさん、こんばんは。 コメント頂き、どうもありがとうございます。

とうとう、美桜さん美空さんが来られましたね。
しばらくは、怒濤の日々ですね。

写真や動画をたくさん撮ってあげてください。 子猫の時期はとても短くて、
あっという間に大きくなります。
可愛さに見とれているうちに、子供のころの写真があまりない、なんてことになります。

可愛い育児の日々を楽しみに読ませて頂きます。
今後とも、よろしくお願い致します。


  • URL
  • 2012/09/19 23:12

リアノン

zigzagさん、はじめまして。 コメントいただき、どうもありがとうございます。

リンクして下さり、どうもありがとうございます。
こちらも、リンクさせていただきました。
コメントを下さって、その際にURLを残して下さった場合は、こちらではいつも勝手に
リンクさせて頂いております。

香港にお住まいなんですか。 私は行ったことがないのですが、良い所ですか?
なんだか、食べ物がおいしそうなイメージが勝手にあります。

一対一の生活というのは、一般的にはきっと珍しいんでしょうね。
でも、その素晴らしい生活を少しでも多くの方々に知ってもらえれば、と思って
ボチボチとブログをやっています。

貴ブログ、最初から順番に読ませて頂こうと思います。
今後とも、よろしくお願い致します。

  • URL
  • 2012/09/19 23:29

初心者

前回はコメントにお返事いただきありがとうございます。
タイトルを見てすぐ脳内ジュークボックスに♪NEVER LET ME GO が流れてしまいました。本のタイトルだったのですね・・・。
チェットベイカーで検索していてこのブログにたどり着いたらねこがいたのでお気に入りに登録したことをを思い出しました。
うちにもNEVER GIVE UP!!なねこがいます、いま9つ目の命で元気に生きています。
レオくんは携帯の画像でも若いねこだというのが良‐くわかりますよ★
『おやつは絶対に諦めニャいで』レオくんへ
うちのねこより
  • URL
  • 2012/09/20 20:14

リアノン

初心者さん、こんばんは。

割と地味目な歌なのにご存じとは、かなりの通ですね。
このブログを読んで下さる方の中には音楽好きの方もいらっしゃるようなので、
音楽の話も時々書こうかと思っています。

なるほどー、携帯でブログを見るんですね。
おじさんは携帯に全く依存しない生活をしていますので、携帯でブログを見る、という
発想がありませんでしたよ。 (かなり、時代錯誤なことを言ってますよね・・・)
それに、当然老眼も入ってますので、携帯の画面で小さい字を見るのが厳しくて・・・

で、さっき、初めて自分のブログを携帯で見てみました。
画面の関係で変な所で文章が切れたりしてますね。 このブログはノートPCで書いていて、
ノートの画面でのレイアウトを前提にしていますので、そのへんはご容赦ください。

もらうまでは、絶対にあきらめません、おやつ。
初心者さんのねこさんにも、コメントありがとうございます、とお伝えください。
  • URL
  • 2012/09/20 21:27

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プロフィール

リアノン

Author:リアノン
独身男の一人暮らし。

猫と暮らしたくて、一人で寂しい思いをしている子を、と思い里親募集に申し込んだら、一方的に断られた。

一人暮らしの男に猫と暮らす資格はあるのか? 

これが、このブログのテーマです。

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