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3年前のこと (3)

家についてキャリーバックを開けたとたん、脱兎のごとく飛び出して、
家の中を何周も走りまくったあげく、キッチンに駆け込み
スチールラックの奥に潜り込んでしまった。
無理に近寄ったりしないほうがいいのはわかっていたので、
そのまま放っておくことにした。

1時間経っても出てこないので、食事を用意することにした。
子猫用のドライフードをお湯でふやかし、子猫用の粉ミルクをその上にかけたもの。
ドライフードはいろいろ調べたあげくに、ヒルズのサイエンスダイエットPROを
選んでおいた。 
あらかじめ煮沸して冷ましておいた水を別の容器に入れ、この子のために、と
決めたリビングの1角に置き、さあ、これで出てくるだろう、と待ち構えた。

ところが、30分経ってもまったく出てこない。
食事を摂らないのは心配なので、ラックの前に置いてリビングに戻ると、
しばらくしてシャクシャクと食べる音がした。

その後3時間しても出てこないので、どうしたんだろうと思い、
ラックの前に座り込み、出ておいで、としばらく話しかけていた。
すると、意を決したように飛び出して、今度は寝室に入ったきり出てこなくなった。
捜してみると、ベッドの下の隙間に潜り込んでいる。
結局、そのまま翌朝まで出てこなかった。

あきらめてベッドに横たわりながら、ショップでのことを思い出していた。
店員が店の奥から抱きかかえて来た時も、こちらにそっと渡した時も、
腕の中に抱いた時も、この子は人から顔を逸らしたまま抵抗もせず、
されるがままだった。
ずいぶんおとなしいな、とその時は思っただけだったが、今考えると怖さと警戒で
身体が動かなかったのだ。
人がたくさんいたし、犬がうるさく鳴いていたし、この子には馴染みのない匂いに
満ちていただろう。 それはどんなに怖かっただろう。
あんな思いは、もう2度とさせたくなかった。
すんなり入ったキャリーバックの中で小さく鳴いたあの声が忘れられなかった。


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Author:リアノン
独身男の一人暮らし。

猫と暮らしたくて、一人で寂しい思いをしている子を、と思い里親募集に申し込んだら、一方的に断られた。

一人暮らしの男に猫と暮らす資格はあるのか? 

これが、このブログのテーマです。

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