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ミシガンの老婦人 (前編)

先週、アメリカのミシガン州アナーバーにいる友人から1通のメールが来た。

彼は高校時代の同級生で、現在は医師だ。
大学卒業後、東京のある大きな総合病院の内科医としてしばらく勤務していたが、
自分は臨床に向いていない、と別の病院の病理学研究部門に移り、毎日顕微鏡を
見ていたがそれにも飽きて、とある大学の医学部に籍を移し、そこで研究を続けて
いたが、去年の4月からアメリカの大学で勉強する機会を得て、今はミシガン大学にいる。


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彼とはクラスメートで仲はとても良かったが、互いに家が離れていたこともあり、
学校にいる時だけの付き合いだった。 
卒業後、しばらくは音信不通だったが、社会人になってだいぶ時間がたったある日、
彼から急に連絡が来て、それから付き合いが再開した。

彼は明るい性格だったがどちらかといえば目立ったり運動したりするのが嫌いで、
限られた少数の文化系の連中と一誌にいることが多かった。 

一方、俺はといえば、そういう連中とも仲は良かったが、休み時間はサッカーをしたり、
お祭り好きな連中から文化祭でバンドをやりたいからギターで参加してくれと頼まれれば
ストラトキャスターを持ってステージに立ってみたり、金持ちの家の息子の大きな家に
やんちゃな連中と一緒に酒やつまみを大量に持ち込んで、徹夜で朝まで
どんちゃん騒ぎしたりしていたタイプだった。


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                       【 お酒は20歳になってから。 】


だから、大人になって誰かと旧交を温めようとした時に、彼がなぜ俺を選んだのか、
実はよくわからなかった。 以来、いつも俺が忙しくないちょうどいいタイミングで
連絡をしてくる。 他にも誰かと連絡がとれたのかと訊くと、年賀状のやりとりを
しているのは何人かいるが、わざわざ会って飲んだりするのは俺だけだと言う。

小~高校時代の友達で医者になったのは、彼を含めて4人いる。 

1人は開業医の息子で、医師免許を取りさえすればそれでいい、とろくに勉強もせずに
入れる私立の医大へ行き、家を継いだ。

あとの2人は普通のサラリーマン家庭の子供だが、金儲けをして贅沢したいから、
と言って美容外科や審美歯科の医師になり、希望どおり享楽的な暮らしを満喫している。
そのうちの1人は、世田谷に建てた豪邸の様子や、フェラーリ愛好会に所属して
高速道路を何台ものフェラーリが連なって走る様子や、湾岸の超高級ホテルの中にある
会員制クラブの広いジャグジーで若い女の子と一緒に遊ぶ様子を写真に撮り、
Facebookに載せたりしている。

そんな中で、地方公務員の息子である彼は苦労して国立大学の医学部に入り、
勤務医としてそのキャリアを始めて、今は研究の道に入り、その収入だけでは
やっていけないから、と言って、渡米するまでは毎週末、地元の保健所で健康診断の
アルバイトをしたりしていた。


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                         【 人生、いろいろ。 】


渡米してからも、彼は何か月かおきにメールをくれて、向こうでの様子を伝えてくる。

まさかここまで日常生活の英語がわからないとは思わなかった、というのが
最初のメールだった。 医学関係の話であれば何とか理解はできるのだが、
普段の生活の中での会話がさっぱりわからない、と書いていた。


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                      【 読み書きと会話は別物だよ。 】


アナーバーという街はデトロイトから車で1時間くらいのところにあって、
街の真ん中にミシガン大学があり、街全体がこの大学に依存しているのだそうだ。
住人も施設もその多くが大学関係なので治安もよく、アメリカにいることを忘れるらしい。

また、その施設やマンパワーは日本の医療機関の比ではないそうで、日本ではいちいち
話題になる臓器移植手術もこちらでは至極当たり前のように行われていたりして、
とにかく全ての面で圧倒される、とため息交じりの内容のこともあった。

彼はアメリカでの医師免許がないからオブザーバーという立場で、もう少し若ければ、
こちらでもう一度免許を取り直して研修医から始めてみたいが、さすがにもう無理だ、
と書いてきたこともあった。


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                       【 もう、おっさんだからね。 】


その彼が、またメールを送ってきた。
彼のくれる便りは、俺の知らない医療の世界やアメリカ東部の知識階級社会の様子が
描かれていて毎回読むのが楽しみなのだが、今回はいつもと様子が違っていた。

「ちょっと相談がある。」

そのメールは、こういう書き出しで始まっていた。

(次週へ続く)





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鼓太郎

二度目のコメントになります。

witに富んだ文章に、レオの気持ち?
がなんとも絶妙でした。今回も。

素敵なご友人を持たれて、お互いお幸せですね。
続編を楽しみにしています。

私事ですが
今年9歳の鼓太郎は、今日で我が家に来て8年7ヶ月。
毎月23日は、えっと、と、ついつい数えてしまいます。

鯉のぼりの泳ぐ季節に、生後まもない命を保護され(ペットショップの店員の方が保護してくれたそう)、里親活動をしているグループの方に預けられ、縁あって、私達は家族になりました。
15歳だった先住猫を亡くして、49日を迎えてのことでした。

鯉のぼりの季節、ヨチヨチの雄猫のボクは「鯉太郎」と里親の方から立派な名前で呼ばれていましたが、痩せっぽちで、ひょろりと長くて、うなぎみたいな、キツネみたいな子だったなぁ、と時々思い出しては、メタボ気味のお腹を愛おしく撫でます。

命の鼓動が元気に、いつまでも、元気にいてくれますように、と願いを込めて、本人が困惑しない程度に、そして、太鼓判のネットでの姓名判断を信じ、改名。
鯉太郎から、鼓太郎へ。
ようこそ。ありがとう。

取り留めのない文章になってきました。
願いは、ひとつ。
みんなが幸せでありますように。

そして
命の砂時計が、ゆっくりゆっくりでありますように。


  • URL
  • 2013/02/23 16:39

ひろ

リアノンさん、こんにちは。

ミシガン、といえばミシガン湖、デトロイトだから車産業が盛ん?、たぶん寒いに違いない。それくらいしか思いつかないです。お友達がいらっしゃるのですね。
いったい何の相談なのか。来週の続きが待ち遠しいです。

リアノンさんは小説家をめざしていたりしましたか? いつもそんな気がして読んでいます。 去年の桃のハナシ、ものすごくよかったです。

そして今日のレオの一言、秀逸です。
  • URL
  • 2013/02/23 17:40

シオ

はじめまして。
ちょっと前にこちらのブログを知り自分も猫と共に暮らすひとり暮らし仲間として
読んでいてとても癒されています。
これからも更新を楽しみにしています。
うちのニャンコはラグドール♂です。
  • URL
  • 2013/02/23 21:00

kakobox

リアノンさんのお話を聞いて、自分も高校生に戻り、リアノンさんのストラトキャスター(すばらしい)の演奏を聴いたり、どんちゃん騒ぎに加わった気分になっちゃいました。
昔話が好きになると年を取った証拠だそうですが(笑)

男性同士の友人と女性同士の友人のあり方って、ちょっと違いがあるのかもしれませんね。
私の場合だけかもしれませんが、やはり女性は、家庭事情に左右されてしまうような気がします。

お金儲けのためにお医者さんになったお二人の方、絵に描いたようですね。
まるでバブル時代のよう。
享楽的な生活のためになったお医者さんになんて、かかりたくないな~。
ま、そもそも美容外科や審美歯科には縁が無いでしょうけど。

「お酒は20歳になってから」のレオ君、どういう風に撮ったのですか?
金色の光に包まれて、レオ君のソマリの野生的な部分が際立って美しいですね。
また聞いちゃいますけど、ここ1~2ヶ月でカメラを変えましたか?
なんだか写真が違っているように見えます。

きりっとカメラ目線のレオ君は大人びて精悍だけど、段ボールの中に横たわるレオ君は、やっぱりあどけない子供♪
背景の色や姿で、まるで違った猫ちゃんのように見えるレオ君。
そこが猫ちゃんの猫ちゃんたる所以かな。

次号が待ちきれない連載の終わり方で、モジモジしちゃいますよ~。
楽しみにしてます。

ミシェル

すでに完成された短編のようだわって、
さぁちゃんがうなっていました。

ブログを書いているのはボクなので、
リアノンさんの文章を読むと、
さぁちゃんも自分の文章を書きたくなるそうです。

リアノンさんの言葉たち、すてきです。
  • URL
  • 2013/02/24 10:11

リアノン

鼓太郎さん、こんにちは。

鯉のぼりの泳ぐ季節、というのが、忘れられた日本の風景を思い出させて
くれて、いいですね。

私は子供の頃は、都会の街中でも、至る所に鯉のぼりが泳いでいました。
今は、もうどこにも見かけません。

漢字の名前は、姓名判断で将来を占えるからいいですね。
占いは門外漢なのでよくわからないのですが、カタカナの名前だとそういうのは
きっとだめなんだろうなあ、と想像します。

9歳だったら、まだまだこれからです。 
元気で幸せに暮らしていきましょう。

  • URL
  • 2013/02/24 10:40

リアノン

ひろさん、こんにちは。

別に大した話ではありませんので、期待なんかしないでください。
これは小説ではなく、先週、私の身の回りで実際起こった、
ある小さな出来事です。
ドラマチックな展開も、感動的なオチも、何もありませんからね。

小説家なんて、目指したことなんてありません、そんなおこがましいこと。
そんな才能、私にはありません。

  • URL
  • 2013/02/24 10:51

リアノン

シオさん、はじめまして。 コメント下さり、どうもありがとうございます。

また、仲間と知り合うことができました。 嬉しいです!
連絡下さって、ありがとうございます。

ラグドールの男の子だと、きっと身体が大きいんでしょうね。
実際に目の前で見たことがありませんので、一度成猫を見てみたいなあ、と
常々思っています。

今後とも、よろしくお願い致します。
  • URL
  • 2013/02/24 11:06

リアノン

kakoboxさん、こんにちは。

続きの話、特に大した内容ではないので、期待しちゃあいけません。
ブログに書くくらいですから、特にすごい話ではありません。
前段が予想外に長くなってしまったので、止む無く分割しただけです。
まずいなあ、自分でハードルの高さを上げてしまったか・・・・

カメラは、前のが調子悪くなったので、型落ちのチープなものに買い替えました。
数年たつと性能が大幅に向上するんでしょう、そのせいで綺麗にとれるみたいです。

2枚目の写真は、夜、リビングで例のダンボールハウスの中で寛いでいるところを
私がソファーに座っている状態で上から撮っただけです。
うちのリビングのシーリングライトは白色ではなく昼光色にしているので、
金色に見えるのかもしれません。 ダンボールの中が暗いので、
色の対比が際立っているのでしょう。

男同士の友情は、家庭やその人の置かれている状況からは独立して成立しています。
男は友達と会う時、そういうものを置いて来て、そこには持ち込まないんです。
だから、昔と変わらない感覚で付き合えるんですね。

この2年ほど、子供の頃の友達の多くと急に連絡がとることが増えて、よく同窓会を
するようになりましたが、女性陣の口から出て来るのは、一様に子供の受験の話、
旦那の仕事の話、主婦仲間の間で交わされた会話の話みたいなものばかりですね。

まあ、別にいいんですけど・・・・



  • URL
  • 2013/02/24 11:50

リアノン

ミシェルくん、こんにちはー。

完成なんてされてないんですよー、これ。
行き当たりばったりで進めているので、うまくまとまるのかなあ?って
自分で書いたことなのに、心配してます。

ミシェルくんがブログを書いていることのほうが、遥かにすんごいです。
漱石よりも遥かに上出来だと思って読んでますよー。

  • URL
  • 2013/02/24 12:01

hiromin

リアノンさん はじめまして。
少し前から拝見するようになりました。

あるブロガーさんがおこなっている野良猫の里親探しに協力したかったのですが、
リアノンさんが書かれていた「一人暮らしの里親はお断り・・・」に衝撃を受けました(・・・ああ、私も有無を言わさず断られるんだ・・・)。
一人暮らしでネコと暮らしている知人は多いのに・・・。

でも、いつかは一緒に暮らせる日を夢見て、たくさんのブログで学んでおります。
命を預かるのはたいへんな責任を引き受けること。
これからも楽しみにしております。

追伸:レオさんの一言、本当につぶやいてる?^^楽しいです。
  • URL
  • 2013/02/25 00:22
  • Edit

valek

はじめまして。
以前から、時々拝見させて頂いてました。
リアノンさんのお話が好きで、特に『想像力の問題』の記事は
まさに、私も思ってたことというか、とにかく、
すごく納得してしまいました。

これからも楽しみにしています。
また、遊びにきますね。
  • URL
  • 2013/02/25 01:21

リアノン

hirominさん、はじめまして。 コメント下さり、どうもありがとうございます。

最近、少しですが、1人暮らしの女性でも、男性でも、里親として任せてもらえた、
という話を聞くようになった気がします。

1人暮らしでも、女性は男性に比べれば、比較的任せてもらいやすいようですよ。

日本ブログ村にも「猫と1人暮らし」というカテゴリーが出来て、50人以上の人が
ブログでその様子を綴っています。
これが、少しでも事態の改善に寄与してくれたらいいなあ、と思っています。

出会いの形はどんなものであれ、猫との暮らしはとても幸せなものですよ。
そのことを、このブログでたくさん伝えたいな、と思って書いています。

hirominさんも、ぜひ、猫と一緒に幸せな生活を始めてください。
応援しています。

今後とも、よろしくお願い致します。
  • URL
  • 2013/02/25 22:49

リアノン

valekさん、はじめまして。 コメント下さり、どうもありがとうございます。

昨日、valekさんのブログを初めて拝見したところです。
綺麗なインテリアとお部屋で、すごいなあ、と思いました。

ベンガルって、珍しいですよね。 こだわりの選択だったんですね、きっと。
きれいな姿見の猫さんだなあ、とこれまた、ため息でした。

今後とも、よろしくお願い致します。
  • URL
  • 2013/02/25 22:57

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2013/02/27 20:07

リアノン

タンさん、こんばんは。

レオは、昼はまったり昼寝(たぶん)、夜は私と遊んでますよ~。

茶茶さんがタンさんのおうちの子になった日、ってことですか?
もしそうだったら、大事な記念日ですね。
でも、誕生日と違って、そういう日ってあんまり大袈裟にお祝いとか
しないもんですね。
うちも、特にお祝いはしないなあ。

猫って、人の気持ちがよくわかるみたいですよ。

だから、無理に義務感で遊んだりするよりは、ちょっと話しかけてあげたり、
通りすがりにちょっと撫でてあげたり、顔をみて微笑んであげたり、
そういうことするだけでも、気持ちがちゃんと伝わるんじゃないかなと思います。

だから、大事にしたいと思う気持ちも、ちゃんと伝わってるんじゃないかなと思います。

  • URL
  • 2013/02/27 22:34

らどたん

> hirominさん、リアノンさん

 こんばんは、一人暮らしで里親をしている者です。
 私がコメントしても良いのか悩みましたが記載させてください。
 確かに里親募集のほとんどは単身お断りですが、
 探せばいくらかあるものです。
 
 私の場合は運良く近所にそういう場所があったので、
 現在アッシュという名前を付けた猫と暮らしています。
 一応頂いた団体のアドレスを貼っておきますね。
 http://minaminakano-chiikineko.jp/

 毎月第二日曜日に里親会を行っているようで、
 そこで見学させてもらい、譲っていただきました。
 来週がそのようですし、もしお近くなら見学されては如何でしょうか?
 
> リアノンさん
 (本当はこちらを書くつもりだったのですが…)
 今回の三部作?はドキュメンタリー仕立てで気になります。
 なので、ようやくブログ更新だと思ったら、
 まだまだ続くようだったので後編も期待しています。
  • URL
  • 2013/03/02 22:16

リアノン

らどたんさん、こんにちは。

南中野地域ねこの会、あまり気負いのない活動をされているようで、
こういうのはいいですね。

ごりごりのタカ派の保護団体は、もうお近づきにはなりたくありません。

また長くなってしまって、途中で切り上げてしまいました。
一体、いつ終わるんでしょうか・・・・

  • URL
  • 2013/03/03 17:11

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プロフィール

リアノン

Author:リアノン
独身男の一人暮らし。

猫と暮らしたくて、一人で寂しい思いをしている子を、と思い里親募集に申し込んだら、一方的に断られた。

一人暮らしの男に猫と暮らす資格はあるのか? 

これが、このブログのテーマです。

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